外からの攻撃や痛み、緊張があると私たちは身体を硬くして自分を守ろうとします。
これは私たちの身体に備わった正常な反応ですが、困ったことにこの反応は、痛みを長引かせる大きな原因にもなるんです。
痛みは、生物が生き残るために身につけたシステム
そもそも痛みは、私達生物が獲得した、最も基本的な生存のための防衛機構で、怪我や身体の不具合を脳へ知らせ、傷の保護、休養、治療へと向かわせるためのもの。
わざわざ痛みを生み出す発痛物質というのを体内で造り、必要に応じて放出している結果です。
痛みは動きを制限するためにある
痛みがあるときは、身体はその部分を使わせたくないんです。動かして欲しくない。
だから、損傷部分だけではなく、周囲の筋肉も硬くして、動きを制限してしまいます。
痛みは悪循環を作り出す
痛いと思った瞬間に身体がぎゅっとなって激痛が走る。そんな経験はありませんか?
痛みや違和感があると、反射的に急激な筋肉の収縮が起きます。
皮肉なことに、その反応自体が激しい痛みを起こすことにもなります。
例えば、五十肩でふとした動きで激痛が走る。手が上がらなくなるのもそのためです。
そしてある程度痛みが長期に亘って存在すると、痛みが消えても手が上がらなくなります。
関節自体が固まってしまうことは滅多にありませんが、周囲の筋肉が固まり、動きを制限してしまうんです。
誰だって痛いのは嫌ですよね。恐怖もある。だから用心深く動くようになり、動かし方自体が変わってしまうこともあります。
手を下から背中に回そうとしたとき、普通は肩が前に出て、肘を後に引きます。
でも痛みがある人を観察すると、肩を後に引いてしまっている人が多いんです。これでは手を上まで挙げることは出来ません。
動きに関する周囲の筋肉を緩めてやる
そんなときは、肩関節周囲の筋肉を弛め、肩関節と肩甲骨の動きを自由にしてあげます。その場で驚くほど手が上がるようになります。
リュウマチのように新たな炎症を繰り返し起こすものを除き、通常の傷や炎症は一定期間安静にしていれば必ず治ります。
骨折でもない限り、3ヶ月も治らないなんて事はありません。
ですから、長期に亘る痛みは、痛みを庇っていたがために生まれる2次的なものが主体です。
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